賛助会員制度のメリットと募集のヒント


近年、高齢化社会の進展に伴い、シルバー人材センターの役割はますます重要になっています。地域の高齢者の皆様が、生きがいを持ち、地域に貢献できる場を提供することは、地域社会全体の活性化にも繋がります。

しかし、コロナ禍をきっかけに会員数が減少し会費収入が減ったり、インボイス制度やフリーランス法の影響で新たな支出が増え、今後の財政基盤に不安を持っているセンターも少なくないと思います。そこで、多様な財源確保に向けて「賛助会員制度」のメリットと募集のヒントについて書いてみたいと思います。

賛助会員制度とは?

賛助会員制度とは、シルバー人材センターの活動に賛同し、金銭的な支援を行う個人や法人を募る制度です。個人と法人で会費に差をつけたり、一口あたりの金額を設定して複数口の支援を受けるなど、柔軟な運用が可能です。

シルバー人材センターにとってメリットの多い財源として、賛助会員制度を活用しているセンターもありますが、まだ導入をしていない、または形だけ存在しているけれど活用できていないセンターも多いのではないでしょうか。

賛助会員制度のメリット

シルバー人材センターにとって、賛助会員制度を導入するメリットはたくさんあります。主なメリットは以下の通りです。

財政基盤の強化

賛助会員からの会費は、補助金や事業収入に加え、新たな財源となります。賛助会員を積極的に募集しているセンターでは、年間40万円前後の賛助会費を集めており、これは安定した財源確保につながります。

活動の幅の拡大

賛助会員からの支援は自主財源となり、使途の制限がありません。これにより新たな事業や活動を柔軟に行うことができます。

地域との連帯強化

賛助会員になってくれる企業や団体は、シルバー人材センターの理念や事業を理解し賛同してくれています。賛助会員の企業や団体と連携することで、新たな仕事の発掘や、地域活性化につながる事業を行うことができます。

シルバー人材センターの認知度向上

賛助会員制度を積極的にPRすることで、シルバー人材センターの活動内容や役割を広く知ってもらうことができます。

賛助会員になるメリット(企業側)

賛助会員制度は、シルバー人材センター側にだけメリットがあるというわけではありません。企業や団体がシルバー人材センターの賛助会員になるメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

社会貢献活動としてPRできる

高齢化社会における地域課題解決への貢献は、企業にとって重要な社会貢献活動です。シルバー人材センターの賛助会員になることで、地域の高齢者の活躍を支援し、地域社会の活性化に貢献していることを広くアピールすることができます。近年では、企業のCSR活動が重視されており、積極的に情報発信することで、企業イメージの向上にも繋がります。

地域との連携を強化できる

シルバー人材センターは、地域に密着した活動を行っており、多くの地域住民や企業と連携しています。賛助会員になることで、これらのネットワークを活用し、新たなビジネスチャンスを獲得したり、地域との協働事業に参加したりすることが可能になります。

企業の認知度向上

センターのホームページや広報紙で賛助会員を紹介することで、企業の露出が増えます。

賛助会員募集のヒント

賛助会員制度を成功させるためには、効果的な募集活動が不可欠です。以下に、賛助会員募集のヒントをいくつかご紹介します。

ターゲットを明確にする

どのような企業や団体を賛助会員として迎え入れたいのか、ターゲットを明確にすることが重要です。ターゲットに合わせて、募集方法や特典内容を検討しましょう。

魅力的な特典を用意する

賛助会員になることで得られる特典を明確に示し、魅力的な内容にすることが重要です。例えば、シルバー人材センターのホームページやパンフレットに掲載したり、セミナーや交流会などのイベントを開催するのも効果的です。

参考になりそうな賛助会員制度

  • 横浜市シルバー人材センター:広報紙の電子化(令和7年1月号以降)に伴い、賛助会員への特典を拡充する予定(参考リンク:特典内容PDF
  • 長岡市シルバー人材センター:広報紙の紙面で賛助会員の募集と賛助会員のバナーを掲載(参考リンク:シルバーながおかPDF
  • 柏崎市シルバー人材センター:ホームページで賛助会員を紹介する際、各企業・団体へのリンクを貼っている(参考リンク:賛助会員のご紹介ページ
トリガー

長岡市シルバー人材センターの広報紙では、賛助会員の紹介の前に「私たちは長岡市シルバー人材センターの活動を応援しています!」というタイトルが添えられてあります。賛助会員である企業のイメージアップと同時に”多くの企業に応援されているシルバー人材センター”というシルバー人材センターのイメージアップにもなっていて、とても参考になります。

積極的にPRする

ホームページやSNS、地域イベントなど、様々な方法で賛助会員制度をPRしましょう。シルバー人材センターの活動内容や、賛助会員になることで得られるメリットを分かりやすく伝えましょう。

丁寧な対応をする

賛助会員にはお礼状や記念品を贈り、感謝の気持ちを伝えるとともに、活動報告や決算報告を通じてシルバー人材センターの事業に理解を深めてもらいます。

まとめ

賛助会員制度は、シルバー人材センターの活性化に繋がる有効な手段です。財政基盤の強化だけでなく、活動の幅の拡大、地域との連携強化、認知度向上など多くのメリットがあります。積極的に導入を検討し、効果的な募集活動を行うことで、センターの持続可能な発展を目指しましょう。


PAGE TOP