デザイン編

人間は視覚から80%以上もの情報を得ているそうです。加齢による視力の衰えや、視覚に障がいがある人にも情報を正確に届ける。それにはどのような配慮が必要でしょうか。今回は「メディアユニバーサルデザイン(MUD)」についてのお話です。メディアユニバーサルデザインについての詳しい説明はこちらからご覧ください)

配慮ポイント:伝わりやすい書体

ユンバーサルフォントって?

ユニバーサルフォントを使用した文章

加齢による視力の衰えや視覚の障がいにより、視界が黄色がかって見えたり文字がぼやけて見えてしまう。そんな方でも読みやすく工夫されたユニバーサルフォント。線の長さや角度を調節することにより、似た文字の違いを明確にし誤読されにくいように考慮された書体です。

読みやすいユニバーサルフォントですが、長文になると文字同士がくっつき読みづらくなる場合もあります。そんな時は、ゴシック体に変えるとすっきり見える場合もあるのでお試しください。

また、読みやすいだろうと文字自体を太くしてしまうと認識しづらくなることも。情報の重要度によって太さを使い分け、すっきりと仕上げてみましょう。

ポイント

  • 長文の場合、ユニバーサルフォントよりゴシック体を使用した方がすっきり見える場合もあります。
  • 文字は太ければ読みやすいというわけではなく、情報の重要度によって強弱をつけましょう。

配慮ポイント:文章の行間・字間を調整

詰まりすぎても、広げすぎてもNG

行間・字間を詰めすぎた文章

せっかく読みやすいフォントを使用しても、このように行間・字間が詰まっている文章は読みづらいですよね?視力が低下している方が見ると、すべての文字がくっついて文字として認識しづらい状態です。

行間・字間を広げすぎた文章

また、このように広げすぎても読みにくい!文字が離れすぎて、一つの単語を認識するのに時間がかかってしまいます。

デザインを作成していて「スペースが余ったから行間を広げよう……。」「スペースが無いから行間や字間をギリギリに詰めとこう。。」実は結構やってしまいがちなのです。

読みやすい行間は、目安として文字サイズの1.5〜1.75倍と言われています

しかし高齢者向けの印刷物では、気持ち行間に余裕を持って作成することをおすすめします。適切な行間・字間というのは選択したフォントやフォントのサイズ、用紙のサイズ、印刷物の用途によって変わってきます。デザインしながら、ちょうど良い行間・字間を調整していきましょう。

ポイント

  • スペースに合わせて行間・字間を極端に詰めたり広げるのはNGです。
  • 高齢者向けの印刷物を作るときは、気持ち行間・字間に余裕を持って文字同士がくっつかないことを意識しましょう。

それでは、次回は色についての配慮ポイントをお伝えしたいと思います。