デザインで重要な要素の一つは、伝えたい情報を効果的に視覚的に表現することです。その中でも、文字はデザインのメッセージを伝える重要な役割を担っています。しかし、文字を目立たせようと装飾し過ぎると、かえって逆効果になってしまうことも。どのような工夫をしたら、より伝わるデザインになるのか考えてみましょう。

派手=強調では無い

過度な装飾を施した例

文字を強調しようと、派手な色を組み合わせたり、影をつけたり、形を変形させたりすると、かえって読みにくくなってしまうことがあります。目立っても、内容が理解してもらえなければ意味がありません。

強調したい文字は敢えてシンプルに

このように、文字装飾を控え、背景やイラストを工夫することで、伝達効果を高めましょう。さらに、強調したい部分の色を変えたり、動きをつけて目立たせることで、注意喚起効果を高めます。

トラテープ(黄色と黒の斜めのストライプ模様)は、危険箇所や立ち入り禁止区域を示すときに利用されています。この模様を見ると、多くの人が「危険がある」ということを瞬時に理解できます。さらに、イラストを大きく強調することで、内容が即座に理解でき、文字が読めない方にも理解が促進されます。

フォント(書体)や色の選び方に注意!

インパクトのあるフォントで存在感を出すのは有効な手段ですが、重要度の高いメッセージでは読みやすさを重視したフォント(ゴシック体やユニバーサルフォント)を選ぶのが確実です。強調目的で斜体を使うこともありますが、日本語にはあまり馴染まないため、過度な使用は避けましょう。

また、「黄色=危険」というイメージはありますが、フォント自体を淡い黄色にすると読みにくくなるので注意が必要です。この辺は少し「メディア・ユニバーサルデザイン」でもご紹介しているので、興味のある方はご覧ください。

文字の装飾で意識したいこと

  • 派手な色の組み合わせ、大袈裟に影をつける、形を変形させる等は本来のメッセージ自体が伝わるにくくなるので避ける
  • フォント(書体)を選ぶときは、内容にあったものを選ぶ
  • 重要なメッセージには過度な斜体や、読めない色を使用しない