
北海道最北端の地、稚内市で活動する稚内市シルバー人材センターが、大きな決断をされました。
2025年11月26日に開かれた臨時総会において、「公益社団法人」から「一般社団法人」へ移行する方針が決定したというのです。
移行予定日は2026年4月1日。北海道内に40あるシルバー人材センターの中で、一般社団法人化を明確に打ち出したのは、今回が初めての事例と報じられています。
決断の背景をたどっていくと、全国のセンターが共通して抱える「悩み」と、それでも前へ進もうとする前向きな姿勢が見えてきます。
「これまで通り」を守るために、あえて仕組みを変える
多くのシルバー人材センターは、現在「公益社団法人」として活動しています。公益性を守るためのルールはとても大切なものですが、その一方で、縛りが多く柔軟な動きがしにくいという声があるのも事実です。
今回の移行の背景には、次のような想いがあったと考えられます。
- もっと自由に、地域のために 新しい地域ニーズに応える仕事を、よりスピーディに形にしていきたい。
- 会員の皆さんのために 福利厚生を充実させ、安心して長く活動できる環境を整えたい。
人口減少や高齢化が進むなかで、「これからも地域を支え続けるために、何ができるのか」。その問いに対する稚内市シルバー人材センターなりの答えが、今回の「一般社団法人化」という選択だったのではないでしょうか。
新しい道だからこそ、丁寧な備えと調整が欠かせない
もちろん、法人格を変えるということは、小さな変化ではありません。一般社団法人になることで事業の自由度は高まりますが、その分、自分たちで責任を持って舵取りをしていく場面も増えていくでしょう。
発注者や地域住民が「これまでの公共性や透明性は維持されるのか」と不安を感じたり、公益認定がなくなることで、行政との関係や補助金・委託事業の条件が変わる可能性も考えられます。制度上の位置づけが変わる以上、これまで当たり前だった前提を、あらためて確認し直す必要が出てくる場面もあるはずです。
こうした課題に対しては、丁寧な説明と情報共有を重ね、関係者との認識をそろえていくことが欠かせません。また、新しい取り組みを進める際には、会員の皆さんの負担や安全面に十分配慮し、無理のないペースで進めていくことも重要です。自由度が高まるからこそ、慎重な準備と調整を積み重ねながら、持続可能な運営の形を探っていく姿勢が求められていると言えるでしょう。
まとめ
稚内市シルバー人材センターの一般社団法人化は、決定そのものよりも、これからの運営や実践の積み重ねによって評価されていく取り組みです。道内初という位置づけから、他地域のセンターにとっても関心の高い事例であることは間違いありません。
就業機会の拡大や会員の定着といった狙いが、今後どのような形で実現していくのか、今後も注目していきたいと思います。
