いつもシルバー人材センターのためのデザイン講座をご覧いただき、ありがとうございます。新年1発目にお届けしたデザインクインズが好評だったので(社内で)本日は第2弾です。
右端の∨をクリックすると答えが表示されます。
第1問:以下のケースは著作権の侵害にあたるでしょうか?
A.「フリー素材」で検索した素材を、コピペして使用
B.過去に業者に作ってもらったデータを使い回す
正解は「AとB両方とも著作権の侵害にあたるケースがある」です。
「フリー素材」の利用許諾に違反する
「フリー素材」で検索すれば、無料で使える画像がたくさん見つかるよ
フリー素材であっても、無料で自由に使えるという訳ではありません。
利用規約はサイトごとに異なります。よく読んで、許諾された範囲内で使用するようにしましょう。以下のような条件がついている場合、従わなければ違反になってしまいます。
- 個人での利用は無料。法人の場合は使用不可(または有料)
- 無料で使用できるが、素材の中や紙面に作者の名前を表示することが条件
- チラシやHPには無料で使えるが、グッズなど販売目的のものには使用不可
過去に業者に作ってもらったデータを使い回す
過去にチラシのデザインを業者に頼んだことがあっても、著作権の譲渡契約を結んでいない場合は著作権は業者(またはデザイナー)に帰属します。勝手に使い回したり、別の用途に流用すると、立派な著作権違反になりますので気をつけましょう。
二次使用料を支払ったり、著作権譲渡の契約をすれば大丈夫なんだよね。
その通りです。過去のデータを使いたい時は、事前に確認をとるようにしましょう。
2つのシルバー人材センター同士で「おたくのチラシいいね。真似していい?」「いいよ」と話をしてしまうケースもありそうですが、自分たちに著作権が帰属しないデザインを勝手に利用許諾してしまうと、相手のセンターにも迷惑がかかってしまうので気をつけてくださいね。
第2問:目立たせたい部分を強調するときは?
A.文字の色を変える
B.文字のサイズを変える
正解は「AとBどちらも正解」。しかし以下のような条件付きです。
色を使って目立たせる
クライアントさんから時々「ここは重要だから目立つように赤にして」と言われることがあります。文章の色は黒で書かれることが多いので、その中に赤い文字があると確かに目立ちます。しかし背景や他の文字が赤っぽいときや多くの色が使われている場合は、たとえ赤を使ったとしても周囲に溶け込んでしまって目立ちにくいことがあります。つまり、"赤=目立つ色" ではなく "周囲と違う色=目立つ色" なのです。このことを知らずに色を使って目立たせようとすると、目がチカチカするだけで重要な箇所が分からないデザインになってしまうので注意しましょう。
色をつかって目立たせるときは、明度の差をつけることも大事です。背景色と似たような色を使う場合にはフチをつけることで境界をハッキリさせましょう。
サイズを変えて目立たせる
周囲と大きさや太さを変えることでも目立たせることができます。この場合、中途半端な違いではかえってゴチャゴチャして見えるので、思い切った差をつけることがポイントです。
まとめ
目立たせるとは、単に「赤くする」「大きくする」ことではなく周囲と違う状態にすること。
つまり、目立つというのは絶対的なことではなく相対的なことなのです。
第3問:フルカラー印刷に必要な解像度はどっち?
A.約300dpi〜350dpi
B.約500dpi〜1000dpi
正解は「A.約300dpi〜350dpi」です。
それぞれの媒体に適した解像度
フルカラー印刷:約300dpi〜350dpi(グレースケールの場合は600dpi)
印刷物に使用する画像の解像度は、一般的に約300〜350dpi程度が適切とされています。解像度が高ければ高いほど、画像は細かく表現することができます。しかし、人間の目が画質を認識できる範囲は限られているため、区別がつかないレベルの画質になります。
また、解像度を大きくすると、画像データのサイズも大きくなります。そのため、画像データの保存や送信に時間がかかったり、データ容量が限られているデバイスでは扱いにくくなったりする場合があります。
WEBに適した解像度:72dpi
使用するサイズによっても多少は異なりますが、だいたい上記の解像度を満たしていれば、綺麗な画像と感じることができます。WEB上からコピーした画像を印刷すると粗く表示されてしまい、綺麗に見えないのは解像度の違いが原因です。
画像の解像度より