シルバー人材センターの業務委託・請負については時間あたりで価格を見積もるケースも多いと思いますが、季節によって時間単価を変更しているというケースは多くないようです。今回は夏季料金を導入するメリットについて考えてみます。除草作業など、夏場に依頼が集中するような業務については、検討する価値があるかもしれません。
夏季料金導入のメリット
1.収入増・クレーム減少
作業に従事する会員の数が限られている場合、予約が集中すれば数ヶ月待ちになったり予約の受付を断ることになってしまいます。夏季料金を設けることで、夏場を避けて依頼してくれる人が増えれば、予約を受け付けられずに断る件数やクレームも減り、トータルの受注件数はアップするでしょう。
また当然ですが、単価をアップすれば収入増となります。
2.熱中症対策
夏場の屋外作業は熱中症と隣り合わせなので、事故防止のためにも依頼を春や秋に分散させることは重要です。また夏は会員自身の熱中症対策にかかる費用負担(飲み物や保冷剤など)が増えるので、単価アップは会員の助けになります。
3.依頼者にもメリット
そもそも炎天下での屋外作業は頻繁に休憩を取る必要もあり作業効率が落ちます。夏季料金の導入後、時期をずらして依頼した場合は、夏場より低価格かつ短時間で作業を依頼できる点がメリットになります。どうしても夏の時期にやってもらいたい、という依頼者にとっても、ほかの季節に依頼が分散することで予約が取りやすくなります。
夏季料金の導入には課題もあると思います。ただ依頼の季節変動を穏やかにしたり、熱中症対策といったメリットもありますので、インボイス問題への取り組みと併せて検討してみてもいいかもしれません。
夏季料金を採用しているSC
私が調べたところ、以下の2つのセンターで夏季料金を導入していました。(ほかにも導入しているセンターがあるかもしれません)
参考にされてみてはいかがでしょうか。
- 宇都宮市シルバー人材センター https://webc.sjc.ne.jp/utsunomiya/
7月1日〜9月30日の期間、除草作業の値上げ。(参照ページ) - 鹿児島市シルバー人材センター http://kagoshima-sjc.or.jp/
7月1日〜9月30日の期間、草取り・降灰除去・剪定・草刈の作業に夏季料金を設定。(参照PDF)