以前にデザイン講座で著作権について以下のように書いたことがあります。

納品されたチラシや画像は、たとえ制作の対価を支払っていたとしても、それを作った印刷会社やデザイナーに著作権があり、勝手に使用することは著作権違反に当たります。

権利を買い取れば、二次使用料を払う必要がなく、事務手続きも1度で済みます。

デザイン講座「知らないでは済まされない著作権の話②より

印刷会社やデザイン会社に依頼した印刷物のデザインを違う媒体で使用したり、改変し再印刷することは二次使用にあたり、無断で行うと著作権違反になります。しかし著作権の買取はそれなりに費用がかかることが多く、使う予定がないのに「念のために」と権利の買取をすることは不要なコストを支払うことになりますし、著作物の二次的活用を制限することにも繋がります。実際に利用することが決まったときに検討するか、すでに他媒体での利用や改変等が決まってる場合には最初から仕様書に入れておくという方が無駄がないように思います。

トリガー

「令和5年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」では、国や自治体が民間に発注する際の著作権の取り扱いについて、以下のようなガイドラインが示されています。

調達コストの適正化や著作物の二次的活用を図る観点から、コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律(平成16年法律第81号)第2条第1項のコンテンツに該当し、著作権等の知的財産権の発生が含まれる場合には、発注者は当該知的財産権の全部又は一部を譲り受けず受注者に帰属させるコンテンツ版バイ・ドール契約の活用を促進するよう努めるものとする。

令和5年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針より
職員Aさん

コンテンツ版バイ・ドール契約? なんだか難しそう...。

トリガー

たしかに聞きなれない言葉ですよね。
経済産業省のHPに分かりやすい資料があったのでご紹介しておきます。

シルバー人材センターは公的機関に準ずる法人として、ガイドラインに沿った契約ができるようにしておきたいですね。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kankouju/hoshin/reference/insatsu.pdf

まとめ

  • 権利の買取は安全ではあるがコストがかかる
  • 事前に二次使用することが決まっている場合は、仕様書で利用範囲を決めておく方法もある
  • 著作権を買取らない方法(コンテンツ版バイ・ドール契約)が官公需では推奨されている