こんにちは。トリガーコーポレーションの高橋です。
私たちがチラシやパンフレットを手にしたとき、読むべきかどうかを判断するのは最初の0.3秒だと言われています。

なのでメインの写真やキャッチコピーがとても重要なのですが、それ以前に「紙」から伝わる情報がとても大きいのをご存知でしょうか。今回のテーマは「印刷に使われる紙」についてです。


スーパーマーケットや量販店のチラシなどは薄手のコート紙が使われることが多いですが、これはコストが1番安いからです。これに慣れている私たちは、薄手のコート紙を手にしたときに無意識に「セールの案内」「安いお店」という印象を持ちます。


逆に高級車のカタログやDMには厚手の高級紙が使われ、場合によってはニス加工や箔押し加工が施されていたりします。これらを手にすると、内容を読まずとも「何か高級なモノの案内だな」ということが瞬時に伝わります。


紙の素材感(テカテカしてる、デコボコしてる)は視覚的にも伝わりますし、厚みや表面の手触りは触覚情報として私たちの印象に大きな影響をもたらします。


印刷物を発注するときは、コストだけでなく読み手に与えたい印象も考慮して紙選びをしましょう。

印刷物によく使われる紙

コート紙

表面にコート材が塗布されている紙。カラーの印刷物によく使われる。手触りはツルツル。インクのノリが良いのでカラー印刷に適している。厚みによって印象が大きく変わるが、薄手のものはセールチラシの印象が強い。ツルツルしているので鉛筆などで書き込んだり印鑑を押すものには不向き。

マットコート紙

表面にマットなコート材が塗布されている紙。コスト的にはコート紙とほぼ変わらない。やや艶がないので落ち着いた印象。表面の反射が少ないので文字が読みやすい。

上質紙

表面にコーティングされていない紙。コピー用紙と同じ素材。鉛筆での書き込みや印鑑を押すものには適している。落ち着いた雰囲気が出せるが、インクの発色はあまり良くないので色の再現性を求める場合にはやや不向き。色のついたものは色上質と呼ばれ、封筒や1色印刷などによく使われる。

クラフト紙

紙袋や包装紙、封筒などに使われる薄茶色の用紙。強度がある。素材自体に色がついているので色の再現性は低いが、ナチュラルな雰囲気が出せる。漂白されていない未晒と若干漂白された半晒がある。

ユポ紙

正確には紙ではなくポリオレフィンを主原料とする合成紙。耐水性があり破れにくいため水回りや屋外に貼るポスター(選挙ポスターなど)、選挙の投票用紙などに使われる。

その他の高級紙

上記以外にも、表面がザラザラとしているものやラメが入っているものなど様々な紙が印刷に使われます。一般的な紙に比べてコストはかかりますが、オリジナリティある印象的な印刷物が作れます。

まとめ

  • 印刷に使う紙は、視覚と触覚を通じて印刷物の与える印象に大きな影響を及ぼす。
  • 色の再現性、文字を書き込むかどうか、コスト、手触りなど紙の種類によって特徴が異なる。
  • 印刷用紙はコストだけでなく用途や与えたい印象によって使い分けよう。