視覚で伝わる色のイメージについては、以前「色の働き」で紹介しました。しかし視覚だけではなく、その他の五感を通して感じ取っている色のイメージも存在します。例えばスーパーやコンビニ等で商品を目にしたとき、私たちは視覚意外にもいろんな感覚機能を使って商品のイメージを感じ取っています。では、どのような感覚機能を使っているのでしょうか?

味覚に訴える

このアイス、何味?

①はストロベリーのような甘い味をイメージしたかと思います。②はおそらくレモンやライムなどのさっぱりとした柑橘系、③はチョコレートやコーヒーのようなダーク系の味をイメージしませんでしたか?

一般的に人は食材の色と味を結びつけて感じているため、説明が無くても色だけでなんとなくその味を連想することが可能と言われています。

嗅覚に訴える

柔軟剤の香りのイメージは?

①はフローラル系やベリー系、②は柑橘系や森林系、③はせっけん、または無香料のようなイメージが多いかと思います。

色を見て香りを連想するのは味と同様、人は香りと色も結びつけて感じているためです。感じるときのキーワードは、原材料の色から来る場合が多いと言われています。香りを扱う商品のパッケージデザインは、この手法をうまく利用して消費者に一目で香りをイメージしてもらいやすいようにと工夫されています。

聴覚に訴える

ピアノから流れている音楽はどんな曲?

①はクラシックやしっとりとした静かな音楽、②は楽しそうな明るい曲、にぎやかな音楽がイメージできませんか?

色をうまく使うと派手さや地味さ、興奮や沈静なども表現することができます。高彩度や暖色系の色を使うと派手なイメージ、低彩度や寒色系を使うと落ち着いたイメージに。また、使う色の数が多い方が賑やかに感じ、少ないほど静かなイメージになると言われています。

触覚に訴える

どちらが暖かくて、どちらが冷たい?

これはもう簡単ですよね。①が暖かい、②が冷たいとほぼ100%の人が感じたのではないでしょうか?

太陽や炎を連想させる赤系は暖かく、水や氷をイメージさせる青系は冷たく感じるというデザインのイメージは町中に溢れています。この認識は幅広く広がっているので、もし暖かさが売りのの商品を宣伝するとき、メインカラーが「青」ならば、かなり工夫をしないと誤解されてしまうこともありそうです。

まとめ

飲食物や生活用品のラベルがすべての真っ白や真っ黒だった場合、私たちはその容器を一つ一つ手にして用途を確認しなければなりません。しかし、色には一目見ただけで記憶と感情を呼び起こしてくれる力があります。このように視覚以外の感覚機能を刺激する色のイメージを利用すれば、より伝わりやすいデザインにつながっていきそうですね。