こんにちは。トリガーコーポレーションの高橋です。
先週のシルバー人材センターのファンドレイジング入門に続き、今週もファンドレイジングについて解説していきます。今週は、シルバー人材センターの事業・組織・財源の一体的発展戦略を考える上でのステークホルダー(影響力のある関係者)との関係性について見ていきます。
前回のまとめ
- ファンドレイジングとは非営利団体の資金調達を指す言葉である。
- 事業・組織・財源がバランスよく成長する一体的発展戦略が大切。
- シルバー人材センターの場合、「会員」が事業・組織・財源のすべてにおいて重要である。
シルバー人材センターと会員と発注者との関係を表すものとして、一般的に使われているのが以下のような図です。シルバー人材センターによっては、ここに矢印や言葉が多少異なるものを使っているかもしれません。いずれにしろ3つの独立したシルバー人材センター・会員・発注者が矢印で結ばれているはずです。この関係図から読み取れるのは、シルバー人材センターと会員は別のものであるということと、シルバー人材センターのステークホルダー(影響力のある関係者)は会員と発注者であるということです。
この関係図はとてもシンプルで分かりやすいので、発注者に仕組みを説明するときなどには良いですが、新しい成長戦略や広報活動を考える上では、現状とのギャップがあり新しい発想が生まれにくいかもしれません。
会員中心の新たな関係図を描こう
お伝えしたように、シルバー人材センターの中心に位置するのは会員です。
事業・組織・財源の一体的な発展を目指すファンドレイジングの視点で、シルバー人材センターの新たな関係図を描いてみました。
いかがでしょうか。シルバー人材センターは互いに関連のある事業・組織・財源の3つの要素によって構成され、その中心には会員が位置しています。そしてシルバー人材センターを取り巻く地域社会には、企業や住民、自治体が存在しています。かなり実情に近い関係図になっているのではないでしょうか。
ここに、各ステークホルダーと事業・組織・財源との関係性を書き込んでいくことで、現状を可視化てみましょう。
今回は例として、それぞれのステークホルダーとの関係性を一部書き込んでみました。
かなり複雑に見えるけど、よく見ると、どれも今の現状を表してるね。
これは一例なので、実際にはシルバー人材センターの組織力を使って自治体へ貢献していることや、地域外から地域内の作業(空き家管理やお墓の清掃など)を請け負う事業を行なっていたりなど、それぞれのシルバー人材センターによって、ここには描かれていない別のステークホルダーや関係性が存在しているかもしれません。できれば自分たちの現状を実際に紙に書き出してみてください。
今回はここまで。
次回のファンドレイジング入門では、この新しい関係図を使って、新たな広報活動や成長戦略を考える方法を見ていきましょう。
まとめ
- シルバー人材センターの中心は会員である。
- シンプルな関係図では会員を中心にした事業・組織・財源の一体的成長戦略を考えることは難しい。
- 新しい関係図にステークホルダーとの関係性を記入することで、現状を可視化できる。
次回もお楽しみに!